DAO RESEARCH COLLECTIVE Series 1「分散化について(1)」

Crypto Garage
Feb 22, 2023

Crypto Garage Legalです。当社がブロックチェーンテクノロジーを実装する中で、「DAO(Decentralized Autonomous Organization)」への注目が集まり、存在感を増していることを感じています。ブロックチェーンテクノロジーの一つのキーワードとして「非中央集権型(Decentralized)」があり、非中央集権型のトレンドの中で、当社はサービスの提供者として何が求められるのか、また、何に対して責任を負うべきなのか、日々模索しています。

この度、ブロックチェーン技術が向かうトレンドを探る一つのヒントとすべく、DAOについて、情報発信していこうと思います。DAOについての理解や研究の成果を集めた「DAO RESEARCH COLLECTIVE」のウェブサイトの記事の中から、著者から日本語の翻訳を当社ウェブサイトで公表してもよいとの許可を得たものについて、記事を順次アップしていこうと思います。

シリーズの初めとなる今回は、「分散化について」です。Bruno Lulinski David Kerrの共著である原文はイーサリアムにおける分散化をベンチマークに様々な角度で分散化とは何かを紐解いている大作で、引用している文献の多さは圧巻です。1回の記事にはまとめきれないため、記事を分割してアップしたいと思います。

~はじめに:DAO RESEARCH COLLECTIVE(DRC)とは~

その前に、まず、DAO RESEARCH COLLECTIVE(DRC)について紹介したいと思います。

DRCのfounder、Connor Spelliscyは、DRCを次のように紹介しています。

”DAOは誕生して間もないため、コントリビューターはDAOを運営していくためのノウハウを持ち合わせていません。DAOのコントリビューターは現在、法律、ガバナンス、多様性、財務管理、税金、およびその他の問題を研究し始めていますが、その研究のスケーリングは遅く、その多くは特定のDAOコミュニティ内でサイロ化されています。

コミュニティの利益のために研究の成果を公表するやり方では、様々なプラットフォームで研究の成果が公表され、DAOの研究者や運営者が自分たちの組織のために意思決定しようとした際、大きな負担となってしまいます。

DAO Research Collective(DRC)は、DAOについての研究プロジェクトに対して資金を提供し、コミュニティのためにDAOに関する研究を集約・キュレーションし、研究者と運営者の交流を促進することでDAOの機能を加速させることを目的とした非営利団体です。

DRCは、

(1)プラットフォーム上でDAO研究を整理・キュレーションし、

(2)DAOにとって最も緊急の課題を特定し、関連する研究を収集し、

(3)研究者、運営者、政策立案者のコラボレーションを促進するイベントを開催すること

により、その目的を実現します。

私たちは、日本のDAOエコシステムの隆盛に特に期待しています。日本のDAOエコシステム、素晴らしいコミュニティと思慮深い政策立案者によって支えられているように見えます。私たちは、日本がDAOのリーダーになり、他の国々がすぐに真似をするようになると考えています。”

DRCのサイト内でまとめられている記事は素晴らしいのですが、さらに、記事の中で引用している文献・記事・投稿についても本当にためになるものが多く、紹介したいものばかりです。このシリーズの中で、参考になりそうなものをピックアップしていきますので、本稿をきっかけに、読者の皆さんが、より有益な情報に出会うお手伝いができればと思っています。

以下、今回の本題、「分散化について」の記事の日本語翻訳です。

分散化について

はじめに

分散化とは、計画や意思決定の責任が中央集権的な権力者によってなされるのではなく、その構成員に分散されているローカルな統治構造を歴史的に説明する概念です。「中央集権」と「分散化」という言葉は、19世紀にヨーロッパで起こった大きな政治的混乱に関連して作られたものですが、この概念は社会の誕生当初から存在していました。分散化には包括性、代表性、個人の自由といった明らかな利点があるにもかかわらず、人類の歴史は主に中央集権を志向してきました。それは、中央集権は意思決定の効率性と広い地域に対して有効であるという利点があるからです。

しかし、近年の技術の進歩により、分散化の原理がより効果的に活用されるようになり、分散化を活用した強固なガバナンスの仕組みが利用できるようになったため、歴史的な制約の多くはもはや通用しなくなっています。 特にブロックチェーンは、構成員代表によるガバナンスモデルの仕組みとして、またユーザーが分散型経済の中で、アプリケーションの機能にアクセスし開発するための選択肢として、分散化のメリットをより効果的に取り入れた新しいシステムを開発する機会として登場したのです。

この用語の歴史的な定義は、中央集権との比較尺度として今でも有用ですが、「分散化」という用語自体は、ブロックチェーン技術の特定の特徴と同義であり、その技術的、法的、経済的、政治的機能を決定する際の分析ポイントになってきました。 分散化について統一的な定義はまだありませんが、ブロックチェーンの文脈でこの用語が使われる場合、一般に、ビットコインの起源であるホワイトペーパーに由来する一定の特徴を示しています。

分散化という用語はホワイトペーパーには明示されていませんが、この業界で使用される場合は、それは、取引や他の人とのやり取りにおいて「信頼できる第三者」がおらず「中央の権威のない」組織やプロセスを構築することができるという概念を意味することは定着しています。 分散型技術の応用、規制措置、法的分析、経済的可能性、政治理論の発展により、パブリックブロックチェーンおよびこれらのブロックチェーンの上に構築されたアプリケーションに関連する分散化の意味について、さらなる説明がなされるようになってきています。

本稿の目的は、暗号資産コミュニティの人々がなぜ分散化の概念を中心として広く組織化されているのかを明らかにすることにあります。 統一された包括的な定義があれば、現在の文脈的な定義よりも明確になることは間違いありませんが、ブロックチェーン内の分散化は発展途上の概念であり、現時点では、それがどのような意味で使われているかは状況に応じて検討し、その根底にあるプロセスは、現在の使われ方に対してどのようにフィットしているのか特定する必要があります。 このサマリーペーパーでは、分散化のさまざまな構成要素、分散化システムの利点、さまざまなプロジェクトは分散化のプロセスに対してどのようにアプローチしているのか、分散化に対して誠実な立場から批判を加えます。このペーパーは、現在使われている分散化のコンセプトについて、全文は長すぎて読めない、という人向けの要約であり、特定の分野をより深く知りたい人のためには、原典のリンクを要所要所で提示しています。

注:この記事は、「分散化」という用語の包括的な定義や、プロジェクトの分散化の度合いについて客観的な指標を提供しようとするものではありません。イーサリアムの共同創設者であるVitalik Buterinは、「分散化の意味」と題する記事を書き、この用語を正確に定義することの難しさを強調しました。分散化の度合いをどのように測定するのか、に関する試みについては、以下のものがあります。

・ 分散化の原理とモデルに関するMiles Jenningsの論文
 ・Balaji SrinivasanのNakamoto係数(*訳注1)に関する投稿
 ・分散化を測定するための様々な指標を用いた北京交通大学の論文
 ・ブロックチェーンの分散化を測定するためのオープンスタンダードについて説明したKetsalの投稿など

です。この分野は進化しているため、トピックの進展に応じてこのドキュメントの更新版を発行する予定です。

“ブロックチェーンは政治的に非中央集権(誰もコントロールしない)、アーキテクチャ的に非中央集権(インフラ的な中央障害点がない)だが、論理的には中央集権(共通に合意された一つの状態があり、システムは一つのコンピューターのようにふるまう)である”
- Vitalik Buterin(イーサリアムの共同創設者)「分散化の意味」より。

“分散化を最終目標とすることは、しばしば漠然とした、そしておそらく動く目標を目指すことを意味する。”
— 「ブロックチェーンネットワークの中央集権を測るデータポイント」Josh GarciaとJenny Lueng著より

レイヤー1ブロックチェーンにおける分散化を測定する基準

イーサリアム・ブロックチェーンを含む多くのブロックチェーンの中核的な価値となっている提案は、特定の者に対する信頼に依存せず、開発者が不変の分散型アプリケーションを構築できるインフラである、ということです。他のブロックチェーンも漸進的な分散化を目指していますが、イーサリアムは最初のスマートコントラクトプラットフォーム(つまり、スマートコントラクトをネイティブに可能にするブロックチェーンで、ブロックチェーン上に様々な、複数の要素や部品を結合して組み立てることができるアプリケーションを構築できるということ。)として先行者利益を得て広く採用されており、レイヤー1ブロックチェーンの分散化の度合いを測る、ベンチマークになっています。コインベースのエンジニアであるYuga Cohler氏は、イーサリアムのProof of Stakeコンセンサスメカニズムへの移行が成功すれば (*訳注2)、「社会組織原理としての分散化の実行可能性を証明する」とまで言っています。

レイヤー1のブロックチェーンの上に構築されたアプリケーションは、ベースレイヤーの分散型属性の一部を継承しますが、分散型レイヤーの上に構築されただけでは、アプリケーション自体が必ずしも分散型であることを意味しません。アプリケーションは、基盤となるベースレイヤーの不変性と検閲耐性をデフォルトで継承しますが、各アプリケーションは、個々のアプリケーションがどの程度分散化されるかに影響を与える設計上のトレードオフを行います。言い換えれば、分散型インフラレイヤーは、分散型および中央集権型のアプリケーションが連携して動作するための基盤を提供し、各アプリケーションとそのコミュニティは、望ましい分散化の度合いを実現するためにどのようなトレードオフを行うかを決定するのです。

イーサリアムの分散化のレベルには批判がないわけではありません。リキッドステーキング (*訳注3)に由来する集中化マジョリティ・クライアントのリスクは、イーサリアム・ブロックチェーンの潜在的な集中化リスクとして頻繁に議論されており、これらの批判はいずれも、意図しない集中化により、将来、ネットワークに障害点が発生してしまう可能性があることについてものです。これらの2つの懸念については本稿のスコープ外ですが、リキッドステーキングの集中化の詳細については、イーサリアムの研究者Danny Ryanによるリキッドステーキングに由来するリスクに関するこの投稿と、分散型ステーキング・プロバイダーLidoについてのこの研究を参照してください。マジョリティ・クライアントのリスクについては、イーサリアムの研究者であるDankrad Fiestによるこの投稿と、クライアントの多様性に関するEthereum.orgのセクションを参照してください。

本稿では、イーサリアムのブロックチェーンは、分散化の議論の土台となる「十分に分散化された」インフラストラクチャと考えることができるとの立場に立っています。ビットコインブロックチェーンも同様に「十分に分散化された」と言えるでしょうが、デザイン上、ビットコインはイーサリアムのより柔軟なスマートコントラクトプラットフォームと比較して、ビットコインプロトコルに組み込まれている機能が少なくなっています。ビットコインのコミュニティは、「シンプル・イズ・ベター」という倫理観を大切にしており、より複雑なプロトコルよりもシンプルな方が、脆弱性が少ないため、ビットコイン自体が分散化を体現するものとなっているのです。この記事では、ビットコインが「十分に分散化されて」おり、ネットワークの上に、もっと分散化されたアプリケーションをサポートするためにライトニングネットワークを構築していることに触れるにとどまり、ビットコインの分散化の概念についての議論の詳細には触れません。イーサリアムは、アプリケーションの分散化のさまざまなレベルについて議論するために、より堅牢なアプリケーションのエコシステムを擁していますが、ビットコインの偉業は、最初の分散化ブロックチェーンとして業界全体のための道を開いたという点にあるのです。

Ethereumとブロックチェーン全体に関するより基本的な文脈を知りたい場合は、本稿の共著者であるBruno Lulinskiが、「A Simpler Guide to Ethereum」という記事も書いており、そこでは、ブロックチェーン、DeFi、NFT、Ethereumコミュニティの意思決定プロセス、およびEthereumスケーリングソリューションの将来について説明しています。

分散化のさまざまな構成要素

分散化は暗号エコシステムのいくつかの価値提案に不可欠であり、この用語の意味を適用される領域と関連付けることは理にかなっています。分散化の要素は、「プロジェクトがこの特定の領域で分散化されているか」という個別的なものと、「ある構成要素の分散化が、プロジェクトの他の領域での分散化の達成にどのように影響するか」という関連的なものの両方があります。ある構成要素における分散化は、別の構成要素における分散化とは意味が異なるため(同時に、他の領域に影響を与える根本的な活動を共有している)、プロジェクトが意図したとおりに機能するためには、各構成要素について検討する必要があります。

分散化の構成要素は、3つの軸にまたがる分散化システムの有効性に関連して、大きく3つのカテゴリーに分類されます;
 ・技術的な分散
 ・経済的な分散
 ・法的な分散

Miles Jenningsが分散化の原理とモデルという記事で詳細に論じたように、「これらの分散型Web3システムの有効性は、セキュリティ、経済性、情報の平等性に依存する」-これらはそれぞれ、上述した3つの構成要素のうちの1つに対応するものです。

技術的な分散 — グローバルなパーミッションレスのインフラレイヤーとその上に構築されたアプリケーションは、信頼できる分散化された技術的な基盤を必要とします。基盤となるブロックチェーンは、個々のアプリケーションのオンチェーンコンポーネントの実行レイヤーを提供しますが、アプリケーション自体も、基盤となるスマートコントラクトと対話するためのパーミッションレスクライアント、また、ユーザー所有のデータ(およびデータの移転の容易さ)、そして、分散型自律組織(DAO)の形態での幅広い参加者のグループによるスマートコントラクトの分散型ガバナンス、という形でその技術的な分散を必要とします。

技術的な分散を検討する際の質問項目 — これらのシステムはどのように設計されているか?アップグレードが必要な場合、どのように行われるか?アップグレードの実行をバックアップするプロセスは何か(例えば、コンパウンドの48時間タイムロック)?アプリケーションを支えるブロックチェーンは何か、そのブロックチェーンはアプリケーションにどんなトレードオフを強いるのか?ユーザーは簡単にシステムから「ragequit(レイジクィット)」(*訳注4)できるか、つまり、ユーザーはシステムを終了して、コア・プロトコルと対話する別の方法を使用(または構築)できるか?

ブロックチェーン自体の分散化を決定する観点から、クライアントの数はどれくらいか、マイナー/バリデーターに使用されるクライアント間の分布はどうなっているか?個々の参加者は、参加しているブロックチェーンの真正性をどのように検証できるか、またその検証プロセスに個人が参加することはどの程度困難なの?といったことが考えられます。ブロックチェーンの技術的な非中央集権を考えるには、他にも多くの方法があります。

最終的には、技術的な分散は、経済的、法的な分散を実現するために必要な基盤となります。

経済的な分散 — パブリックブロックチェーンは、アプリケーションの開発者と、そのアプリケーションを取り巻くユーザーや隣接するステークホルダーとの間の経済的相互作用について改めて考えてみる機会を提供してくれます。ブロックチェーン以前の「伝統的な」世界では、企業は、ユーザーを、一義的にはユーザーが作成したコンテンツやエンドユーザーに関するデータの形をとっていますが、その裏では、企業と意欲的な広告主の間で取引されるものとして、価値を搾取する源と見なすインセンティブを持っています。
ブロックチェーンは、中央のリーダーシップに依存しないシステムを可能にし、アプリケーションの開発者、アプリケーションへの貢献者およびアプリケーションのユーザーの間で、インセンティブについてバランスをとることを可能にします。このような経済的に分散された構造は、基本的には新世代のオープンソースソフトウェアコミュニティですが、埋め込み可能で透明な経済性を備えています。経済的に分散されたエコシステムでは、貢献者は貢献に対する報酬を受け取りながら、アプリケーションの価値創造に参加することができます。

経済的な分散を検討する際の質問項目-アプリケーションの基礎となるトークンはどのように設計され、配布されているか?エアドロップはどのように設計され、プロジェクト・トークンの過半数が集中的に所有されることを防ぐために、初期のプロジェクト開発者はどのような配慮をしたか?初期の投資家とプロジェクトの貢献者はどのように報酬を得、また、すべての関係者のためのトークンロックアップはどのようなものとなっているか?DAOのトレジャリーの分配はどのように行われるか?つまり、プロジェクトのミッションを促進するために意図されたイニシアチブおよび/またはワーキンググループに対してどのように資金が分配されるか?

法的な分散 — 技術的な仕組みや分散することの経済的な利益を超えて、課税、法的責任、所有権、知的財産権、当局への報告及びプライバシーなど、規制や合法性の問題があります。 米国証券法は、分散型システムがデジタル資産をどのように利用できるかを決定する上で不可欠な分析分野ですが、パブリックブロックチェーンを通じて利用可能になる分散化によって影響を受ける唯一の法分野ではありません。
分散化は現在の法制度にも存在しますが(最も明白なのはジェネラル・パートナーシップの形態ですが)、参加と法的責任について確立されたデフォルト・ルールが、既存の法律が前提とする活動とはかなりかけ離れた分散型システムにどのように公正に適用され得るかについては、大きな疑問が残っています。 既存のルールや法律との表面的な類似性を超えて、ブロックチェーンを通じて利用することができる分散型の活動は、株式、所有権、支配権といった概念に大きな変化をもたらしています。 このような違いは、分散型の活動における関係や責任は、現行の法律やルールが前提とする活動とは異なること強く示しており、ブロックチェーン上に存在する分散型の組織がどのように扱われるのか、大きな不確実性を生じさせています。

これらの活動は、課税対象となる事象を生じさせ、訴訟を引き起こすような行動を取ることが可能であるため、法的な分散を考える上で、課税と法的責任が証券法と同じくらい重要な事項となる日も近いでしょう。

初期のプロジェクトでは、プロジェクトの目的を明確にし、プロジェクトを始動させるために重要なエネルギーを提供するため、ある種の中央のリーダーシップと計画が必要です。このようなチームは、まもなく分権化されるプロジェクトに対してある程度の影響力を持っているかもしれませんが、保持される影響力の程度は、規制当局やその他の政府当局から見て、分権化されたプロジェクトといえるかどうかに大きな影響を与える可能性があります。

証券規制は、市場参加者間の情報の非対称性を防ぐことを主な目的としています。現在、法的な分散の概念について定義された基準はありませんが、プロジェクトの初期貢献者が分散化のプロセスにおいてどの程度の影響力を保持しているか、また参加者間の情報の透明性は、プロジェクトが法的に分散されているかどうかを判断する上で極めて重要なポイントになります。

証券規制の観点からの分散化については、これまでにも多くの優れた概説書が出されています。
・ Scott Kuporは、暗号における重要な規制問題について執筆し、トークンがセキュリティであるかどうかを判断するための考慮事項を説明しています。
 ・David KerrとMiles Jenningsは、分散型組織のための法的枠組みを執筆しています。
・ Stephen WinkとShaun Musukaは、十分な分散化の追求が証券規制を回避するための明確な道であると述べています。

法的分散を検討する際の質問項目- 初期のプロジェクトチームはどの程度の影響力を持ち、その影響力はどこから来るのか?その影響力は、分権化されたはずの組織に保持されている優先議決権から来るのか、それとも共同体の意思決定プロセスにおける彼らの発言から来るのか?初期の投資家はどの程度の影響力を持つのか?コミュニティメンバーは他のコミュニティメンバーから説明責任を問われるのか、また、プロジェクトは中央の権限者の努力に依存しているか?組織の構造的な設計に基づき、異なる利害関係者が非対称な情報を持っていないか?

法的分散については、後述の証券法のセクションで詳説します。

(翻訳記事は第2回連載に続きます。)

*訳注1:ネットワークで51%攻撃を行うため、共謀するのに必要なマイニングプールの最小数のこと。この係数が大きくなればなるほど分散化が進んでいるということになる。

*訳注2:本記事の原典は2022年7月19日にDefiantに投稿されたものであるため、その時点では、The Mergeは完了していなかった。

*訳注3:ステーキング中は、ステークした暗号資産を他の用途に利用できないため、この状態を改善するため、ステークした暗号資産の額に合わせてステーキングサービスの提供者がリキッドステーキングトークンと呼ばれるトークンを利用者に交付する。最も利用されているリキッドステーキングプロトコルがLidoであり、NansenとEtherscanによれば、BeaconチェーンにおいてステークされたETHの全数量の3分の1を占めているとのことである。

*訳注4::結果に怒って急に退出すること、キレ落ち。

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